もう少し頑張れば、サイトの更新頻度がオリンピック開催周期に手が届くほどになったわたくし。
そんな貴重な女装機会になぜスーツを選んだのか。
コスプレなんですよねえ、これ。
「全然そう見えない」
「普通のスーツやん」
「こんなん誰でもできるわ」
はい、想像できますよ。このページ観た人から、ハテナマークな思念がビンビン届くことを。

わたしのコスプレの元ネタは、TVアニメ「PSYCHO-PASS（サイコパス）」の登場人物。
2012年〜2013年に深夜枠で放送されていた番組で、アニメでは珍しい刑事ものの群像劇。
SF風味も入ってます。
シビュラシステムという、人間の心理や性格を計測し、人生の進路をも左右する管理機構が導入された未来の日本。犯罪者の判定もシビュラシステムが行い、計測値（犯罪係数）が基準を超えると逮捕・排除の対象になる。実際に罪を犯していない人であっても、犯罪係数が高ければ潜在犯として扱われるという怖い世界。
このページ冒頭で書いたのとは別の意味でディストピアっぽいのですが、作中の人々はシビュラの存在も計測値も絶対的なものとして受け入れ、管理されることが当たり前のように日々の生活を送っている、と。
ただ、神様のようなシビュラにも手が届かない人間というのがいて、犯罪の取締り上、そういう人は免罪体質者と呼ばれます。どれだけ凶悪な罪を犯しても犯罪係数が上昇せず、潜在犯は勿論、現行犯にすらならない困ったちゃん。
一方、犯罪に対峙する刑事達には、ドミネーターという銃を扱う権利が与えられています。ドミネーターはシビュラと直接リンクしていて、容疑者を前にした時、銃を彼らに向けることで犯罪係数の計測と対処方法の指示を受けることが可能。その指示が失神させるか抹殺するかの二者択一ってのは、シビュラさんの男気を感じるところですが、それはさておき、免罪体質者にドミネーターを向けても、常に犯罪係数は基準値以下になるというわけ。
システムに頼っている限り、罰することの出来ない犯罪者にどう対峙するか、というのが物語のポイントになります。

ドラマの主人公の名は、狡噛慎也。厚生省公安局刑事課一係の執行官。正義感に溢れ、一見ワイルドだけども実は知的で優しいという、カッコ良さの塊のような男。
対する悪役は槙島聖護。シビュラシステムを崩壊させ、自らが思う人間らしい社会の実現を目的にしている免罪体質者。眉目秀麗／インテリでありながら、他人の命をなんとも思わない残虐性を持っている。一見、良いこと言うな〜と思わせる台詞を吐くものの、やってることは極悪。
彼らは何かと対比され、しかし裏表の存在としても描かれます。二人の名前にも、対立する存在を示すという制作陣の想いが詰まっているんですよ。読み方に注目して考えてみてちょ。
狡噛＆槙島に限らず、登場人物はイケメン、ナイスミドル、キレイなお姉さんがた多数。作画は全般的に安定していて、演出はスマート＆スタイリッシュ。 まさにイマドキなアニメ「PSYCHO-PASS」。
でもね、ちょっと目を細めて眺めてみれば、昭和から続く定番の設定も浮かんできたり。
・刑事課一係のメンバーは、
　�@主人公
　�A主人公と対立することもあるが、やっぱり熱い心を持つサブ・ヒーロー
　�B小柄な若者。ムードメーカー
　�Cおっさん。勤勉で実直。実は格闘技も強い
　�Dお姉さん。美人で有能
　ヒーローグループかくあるべし。ガッチャマンから続く正統なメンバー構成ではないですか。
・法的に裁くことのできない悪人に、許されざる正義を執行する主人公
　必殺シリーズだよね、これ。でも狡噛さんの行動理由は、お金の為なんかじゃないぞ。
わたしの講釈を裏付ける意味で、「PSYCHO-PASS」の公式サイトを紹介しておきます。主要キャラクターの関係図も。

紹介先をちゃんと観てくれたかたは気付いたかな。
さっきわたしが書いた刑事課一係のメンバーは五人。でも関係図では六人分のイラストがある。
一人多い。
「�Eかわい子ちゃん」と言えるキャラが。
彼女は常守朱。五人から成っていた一係に、後から配属された新人監視官であり、ヒロイン。
一係の面々（特に狡噛さん）と共に、数々の事件（特に槙島さん絡み）の捜査にあたることでグングン成長し、遂にはシビュラシステムの極秘な正体まで知ってしまう凄い人。
「PSYCHO-PASS」って、狡噛/槙島/常守を三極として、彼らを取り巻く人間模様を描くドラマと言っていいと思います。
で、ですね、わたしの衣装は、このかわい子ちゃんがモデルだった、と。
ジャッジャーン！