わるさぁ〜ぴーさんじゅうはちぃ〜 このてのぉ〜なかーにーぃい〜♪
ワルサーと聞くと、一度はこのフレーズを口にしないと気がすまないッス。
というわたしの気持ちが分からない人は、アニメ「ルパン三世」第一シリーズのDVDを探し求めて、出直してきてください。
一方、気持ちが分かるかたの中には、ルパン三世のエンディングに感化されて、ワルサー社の製品と言えばP38であり、P38と言えばワルサーであーるというイメージを持たれている人も多いかと。でもね、ワルサー社の代表作はP38だけではないのでありますよ。
上の写真でわたしが手にしているのは、同社最新の自動拳銃P99.
開発は1996年。9mmパラベラム×16発。同じ弾を使う他社の有名どころ(ベレッタM92,グロック17,SIG P226,H&K USPなど)より、一回りコンパクトなボディに色々なアイデアが詰め込まれたニクイ奴です。






栄枯盛衰という言葉がありますね。
ワルサー社にもこれが当て嵌まります。1930〜1940年代に世に出したPP、PPK、P38によって、ドイツ軍と警察の制式拳銃の座を射止めた同社でしたが、後継モデルの開発/売り込みには失敗。
次第に経営も苦しくなり、1993年、ついにエアソフトガンなどの玩具を主力製品とするウマレックス社に買収されてしまいます。
これでワルサーの開発陣の目が覚めたのか。ウマレックス社の経営的ツッコミも適切だったのか。
買収後に開発されたのがP99でした。
時流に即したポリマーフレームを採用しつつも、グリップ部のバックストラップを交換式にして、射手の手の大きさに合わせて形状を三段階に変えることが出来ること。
薬室に弾が装填されると、スライド側面のエキストラクターが動いて赤い印が現われ、撃発可能になるとスライド後端からストライカーのお尻が飛び出すことで、容易に銃の状態を知ることが出来ること。
他にもアンビ式のマガジンリリースレバー。アクセサリーの装着を考慮したフレーム前部のレールなど、多くの特徴を持っています。
わたしにとっては、デザインもナイス。
面の構成が単純すぎて面白味にかけるグロック。頑丈で働き者そうだけど無骨に過ぎるSIGやH&K。
これらに比べると、P99は複雑な面構成で且つシャープな印象のあるスライドと、機能的であり有機的でもあるフレーム・グリップとの組み合わせが、とても上手くいっていると思えます。
機能性、スマートさ、武骨さがいい具合にブレンドされている、みたいな。






P99は発売当初、セールス的に苦戦したものの、適時改良とバリエーション化が進められました。
メーカーとして、危機感をもって開発したP99のポテンシャルに、確固たる自信があったんじゃないですかね。畑は違いますが、わたしもモノ作りを生業にしている身ですので、開発陣の気持ちは想像できますよ。なんとなくね(^^)
ワルサーの皆さんの努力が功を奏して、2000年代になって以降、ドイツの州警察や税関本部の実行部隊、ポーランドの軍や国家警察に採用されました。
わたしも好きな銃なので、ワルサー社再興の起爆剤になることを祈ってます。
さて、今回わたしが実際に持っているのは、日本のマルゼン社の製品ですが、なんとこのガスガン、ワルサー社から正式にP99の日本向けバリエーションとして認められています。
両社が提携して、ワルサーからマルゼンへ図面提供や開発に関するアドバイスがあったとのこと。
スゲーことですよ、これ。
正式認可するくらいだから、当然ワルサー側でもマルゼン製品を手に取って、見た目だけでなく、質感や細かい挙動までチェックした筈。どっちかがどっちかの本社へ出張して、ランチやディナーで銃談義もした筈。
やる気満々のP99開発陣とやる気バリバリのマルゼン社員となら、さぞ白熱した議論になってたでしょうね。
極めて本物に近いトイガンをお求めのかたには、マルゼンのP99をお勧めします。







このページ冒頭で、ちょっぴりルパン三世に触れましたが、時代に応じて、一部の作品ではルパンの愛銃がP38からP99に変わってます。
「ルパン三世Y」という漫画。作者は山上正月さん。オリジナルの作者であるモンキーパンチさんは監修という立場のようです。
残念ながら、わたし、この作品は未読。コミックスの表紙絵を見た限りだと、ルパンの顔立はアニメ第二シリーズに似てるかな。不二子のほうは、うーむ、よーわからん。かなりオリジナルかと。
20巻も出ているので、それなりに人気はあったのでしょう。
でと、もしこのルパン三世Yがアニメ化された暁には、エンディングの歌詞は言わずもがなですよね。

わるさぁ〜ぴーきゅうじゅうきゅ〜 このてのぉ〜なかーにーぃい〜♪

2008.7.6