古風な下着にはやはり古風な銃をということで、米国はコルト社のシングル・アクション・アーミー(略称S.A.A)を持ってみました。 史実でもフィクションでも古きアメリカを代表する銃の一つであり、西部劇には必ず出てくる定番中の定番です。 |
もうちょっと銃の位置が下だと、下品な構図になったかも。 「ほらほら、ねーちゃんよお。俺様のピカピカでデカイのスゲェーだろ。一発ぶっ放してやろ〜かあ?!」 ってね。 えーっと、わたしは清純派なので、そんなこと言ってくる野郎がいたら、ピカピカのやつをへし折ってやります。 |
S.A.Aは大きく軍用と民間用に分かれていて、45口径の軍用モデルはキャバルリー(騎兵)またはアーティラリー(砲兵)、同じく45口径の民間用モデルはピースメーカーという名称で呼ばれています。 ネットで調べたところ、本場アメリカでは銃身長と名称との因果関係はないとのこと。 S.A.Aが世に出た当時は、銃身長7.5インチの軍用モデルのみを生産。後年、コルト社がそれらをオーバーホールした際、5.5インチ銃身に付け替えた。便宜上、前者をキャバルリー、後者をアーティラリーと呼ぶことにした。 というのが実情のようです。 あと、民間用モデルには、様々な銃身長や口径のモデルがあり、それらを総称してシビリアンと呼んでいた模様。つまり、シビリアンの中の一つがピースメーカーってわけね。 |
日本では何故か、S.A.A全体の通称がピースメーカー。4.75インチモデルをシビリアン、5.5インチだとアーティラリー、7.5インチならキャバルリーと呼ぶべし、という情報が定着してましたね。 わたしもちっこい頃から、どっぷりそう信じてきました。 でも、頭の片隅で、「馬上で長い銃身は扱い難いのでは? 銃身長と騎兵砲兵の関係、逆じゃね?」 なんてこと思ってたんですよね。 今回、ググってみて、その辺りの疑問が解けました。ありがとう、ネットの中の人。 |
ということを踏まえて、あらためてわたしが持っている銃の紹介をしますと、銃本体はS.A.Aを模したタナカ社のガスガン。7.5インチ銃身のキャバルリーです。 薄く黄色がかったニッケルメッキがとても綺麗で、クールな輝きでありながら、暖か味も感じられます。 グリップはカスタム品。 箱出しそのままのグリップは、黒のプラスチック製なんですけど、どうにも銃本体の美しさをスポイルしているようにしか見えなくて。大阪にある行きつけのガン・ショップに発注して作ってもらいました。 素材はデュポンという石のように重い樹脂とのこと。 やっぱシルバーの銃には真っ白なグリップが似合うと思いますね。 さらに言っとくと、淡いピンクのコルセットと白いグローブ&ストッキングの組合わせも、クールでありながら暖かみもあるでしょ。わたしのS.A.Aと一緒。 さらにさらに言っておきたい。 S.A.Aの生産開始は1873年。英国のコルセットメーカーAXFORDSの操業が1880年。 西部開拓時代、輸入されたコルセットを身に着けた米国婦人、または米国に渡ったコルセット愛用者の英国婦人が、訳あってキャバルリーを手に取っていたかも知れない。 そういう女性が実存していたかも知れない。 まさしくベストマッチ! わくわくさせられるじゃあーりませんか、ねえ。 |
さて、脳天気に銃を持った写真や、銃をネタにしたテキストを公開している身で言うのもなんですが、わたし、ピースメーカーという名前に触れると、もわもわした胡散臭さを感じるんです。 偽善、独善、傲慢、あと自分勝手、そんな言葉が浮かんでくる。 銃が平和をもたらすなんて、完全にアメリカーンな発想じゃないですか。 同様の例として、アメリカには「ピースキーパー」という核ミサイル(ICBM)もあります。 ・核抑止力によってこれまで核戦争が起こるのを回避してきた ・これからも抑止力が超大事 ・それを担う存在である という意味を名前に込めたのでしょうけど、やっぱ命名者の神経疑いますね。人を殺傷し、あらゆるものを破壊することを目的にする物に、ピースなんて使うなっての。 誤解しないでいただきたいのですが、わたしは抑止力を否定しているのではないですからね。 禍々しい存在には、素直にそれらしい名前をつけろって言ってるだけです。 ということで、ピースって言葉は、みんなで『ラブ&ピース!』と叫ぶ為にある。 と主張いたしまして、この稿を終えさせていただきます。 |
2005.7.18 |