今回の得物は、SMITH & WESSON社のM629カスタム。
同社のカスタム部門である、PERFORMANCE CENTERの特製リボルバーです。
リボルバーという形式は、銃のど真ん中にくるくる回る弾倉があるのが特徴。弾が切れたら、弾倉をパカっと横に出したりして、一発ずつ弾を込めます。構造がシンプルで、頑丈に作れるのがイイところ。一昔前の刑事ドラマでは、必ずリボルバーが使われていました。
でも最近は、装弾数が多く、リロード(弾の装填のこと)も楽チンなオートマチック形式のハンドガンに主役の座が移ってきたようですね。






なかなかゴッツイ銃でしょ。それもそのはず、弾は.44マグナムが使えます。
.44マグナムって世界で一番有名な弾じゃないですかね。もち「ダーティ・ハリー」先生のおかげです。何でも撃ち抜いちゃう、むちゃくちゃ強力なイメージを持ってる方多いのでは。






ハリーさんの銃と言えば、つい”.44マグナム”と呼んでしまいますが、これはあくまで弾の名前であって、銃の名前ではないのです。
正式名はM29の6.5インチモデルっての。日本では「西部警察」の寺尾聡さんがM29をブッ放していました。
わたしは「特捜最前線」路線のドラマが好きだったので、「西部警察」はほとんど見てなかったのですが、寺尾さんが片手でぶっ放していたのは覚えてます。どっちかって言うと虚弱的イメージの寺尾さんと、.44マグナムの組み合わせにごっついギャップを感じてましたよ。
(寺尾さんゴメンナサイ)






わたしの持っている銃に話を戻しましょう。
M629のカスタム....ん、どこかで聞いたことない?
うちのサイトではこの名前既出なんですよね。どこでかな〜、はいコチラ
上の写真も、婦警さんが持ってるのも、どちらもM29のステンレスモデルであるM629をベースにしたカスタムモデル。どっちも同じ名前でややこしいので、「PC」と「婦警さん」と呼ぶことにします。
それにしても随分形状が違いますね。何を目的にするかで全く異なる形になるのがカスタム品の楽しいところ。
PCの用途は射撃競技や愛好家のコレクションとして。銃身下に増減可能なバレルウェイトが埋まっていて、射手の好みに応じた重量バランスにすることが出来ます。
婦警さんの方は実際にメーカーが量産していたものでなく、映画用に作られた銃なのですけど、パッと見で携帯し易さと耐久性を重視していることは一目瞭然。劇中、悪徳麻薬捜査官がジャケットの下に携行していました。
PCと婦警さんの位置づけを比喩すれば、繊細に調整して特定の力を極限まで引き出す競走馬と、どこにでも出向いてどんな荒っぽい仕事もこなす軍馬ってのが一例でしょうね。






PCの特徴的なバレルを見る度、思い出す映画があります。
1997年のフランス映画、「ドーベルマン」。
頭パーにして観られるバイオレンス・アクション物で、ヴァンサン・カッセル,モニカ・ベルッチ,チェッキー・カリョ等、あくが強い個性的な俳優さん達が出てくる作品。
で、カッセルさん演じる主人公が持っているのが、PERFORMANCE CENTER製にしか見えないリボルバー。劇中、.357マグナムであるらしい台詞が出てくるので、M629ではなく、M66をベースにした架空の銃と言えるんですけど、とにかくハッタリの効いた良い味で描かれてます。
実銃だとバレルウェイトが入る穴が、小型ロケット弾の発射筒になってるというね。どこをどうやったらそんな機構が実現出来るんだ?ってとこですが、頭パーにすれば、そんな些細なこと消し飛ぶので大丈夫。
マイ・フェイバレットな一作。お勧めです。

2004.10.16