やっぱカンフーでしょう。
好きなんですよ、わたし。カンフー映画が。
ブルース・リーが日本でブレイクした頃、親戚のお兄さんの影響を受けたのがきっかけ。
まだちびっ子だったわたしは、リーさんの名前は聞いていたものの、映画はちゃんと観たことはなかったのです。ある日、既にリーさんに心酔していたお兄さんから、
「ブルース・リーと倉田保昭と、どっちが凄いと思う?」
と問われ、ちびっ子でもよくTVで見かけていた倉田さんの名前を挙げたのです。
「わかってへんのお」
一蹴されました。ばりばり大阪弁のイントネーションで。
子供ながら、「わかってなかったのか」 と恐縮したものです(倉田さん、ごめんなさい)。
以降、わたしもリーさんを意識するようになり、ファンとしての道を進むことに。
お兄さんが木と紐で自作したヌンチャクを見て、そんな工作出来ねえからと、親にせがんでプラスチックのヌンチャクを買ってもらったりね。
「燃えよドラゴン」 のラスボス戦で、リーさんが身体のあちこちに敵の義手で傷をつけられるのご存じ?
猫の爪痕みたいに細くて平行した傷が幾つもついて、血が浮き出るんです。その傷を紙と赤いマジックで再現し、セロテープで身体に貼り付けて、一人ラスボス戦なんてこともやってました。
敵は枕。ちょっと大き目の枕。
もうね、わたしの一方的な攻撃が炸裂でしたさ。






そんなわたしが、カンフーと聞いてすぐに思いつくFAVORITE作品を紹介します。

「燃えよドラゴン」
説明の必要なし。リーさん作品の中で一番好き。
リーさんかっこ良過ぎ。ベティ・チュンはキュート過ぎ。ボロの髪型七三過ぎ。

「ドランクモンキー 酔拳」
みんな知ってるジャッキー・チェンの日本初公開作。
わたしはTVで観ました。なんとか洋画劇場を家族と一緒に。
話の途中、かなり長い時間、ジャッキーが一人で酔拳の型を披露するシーンがあるのですが、体の柔軟さと技のキレに家族みんなで感心しました。
ただ、敵との闘いの際、わたしは延々と殺陣が続くのより、一撃必殺っていう方が好みなんです。
その点で、ジャッキーの武闘シーンは凄いなあと思うものの、すっごい好きとは言えないの。
完全に個人の嗜好の問題なんだけどね。ごめんよ、ジャッキー。

「キス・オブ・ザ・ドラゴン」
主演ジェット・リー。
この映画の良いところは、殺陣がとにかくスピーディ。
まさしく一撃必殺。強敵の場合は数撃必要だけれど、それでもダレるところが全然ない。
リーさんのアクションを見ることが出来て、ストーリーをさらっと眺めること(即ち、悪いやっちゃな〜とか、泣けるな〜とか本能で感じること)で満足出来る人には最高の一品だと思います。
ストーリーに理屈や整合性を求めるとダメ。わたしはもう何十回とこの作品観てますが、だんだんとストーリーのアラが気になってきて、シリアスな筈の場面でも、クスッと笑ってしまうようになりました。
観る回を重ねるほど楽しむポイントを変えられる、奥深い作品なのかも。






カンフーに関係するのかよくわからんが、身体が自然に動いた結果のポーズ。
というのはおいといて、紹介の続き。

「少林サッカー」
王道のカンフー物じゃないよな〜と思っていたわたしが、世間で話題になってだいぶ間が空いてから、仕事帰りの最終上映で観たところ、ドツボにハマってしまった作品。
監督&主演チャウ・シンチー。
ストーリーは題名そのまんま。少林拳の達人たちが、訳あってサッカーチームを結成して大活躍するっての。
ちょっとでも興味惹かれたら、ぐずぐずせず観てください。爆笑と感動が待ってます。

「カンフーハッスル」
これも監督&主演チャウ・シンチー
笑いの要素が豊富で奇想天外なアクションが出てきますが、それでも前作 「少林サッカー」 と比べれば、かなりまともなカンフー物です。
ものごっつい強敵に半殺しにされた主人公が、それをきっかけに拳法の素質を覚醒させるのがクライマックス。
彼を追ってきた何十という悪役達の前に現れる主人公の颯爽感が半端ない。このワンカットを見せる為だけに、これまでの話が存在したと思えるくらい。
「でもなあ、こういう展開どっかで見たぞ....あ、ドラゴンボール!」 なんて感想も持ったり。
最近作の 「西遊記〜はじまりのはじまり〜」 にも、大猿そっくりなキャラが出てきたし、シンチーさん絶対 「ドラゴンボール」 にかぶれてるよ。
と思っていたら、実写版 「DRAGONBALL EVOLUTION」 にも噛んでたんですね、彼。ふーむ、納得。

「ドラゴンボール」
原作漫画の方だぞ。
この作品をカンフー物と呼んでいいかはちょっと迷うところもあったけど、○○拳とか一杯出てくるし、まあ問題ないっしょ。
とにかく大変な大河ドラマ。末期の方はちょっとついて行けなくなって、リアルタイムで連載を追えなくなったものの、後にコミックで最後まで読みきりました。
わたし的に、ストーリー中の白眉は 「フリーザ編」 。これまでのお話とは一変したハードなSF的世界の中で、複数の陣営がドラゴンボールを追い求める宝探し要素と、悟空とベジータがどんどんパワーUPして強敵を倒す下克上要素、そしてなんと言っても絶対悪のフリーザと、彼すら恐れる超サイヤ人という存在に、とーってもハラハラワクワクさせられました。
「私の戦闘力は530000です」 との台詞に絶望感を持った人、悟空が超サイヤ人になった瞬間からフリーザとの決着がつくまでの間、胸が締め付けられるような緊張感を味わった人は、わたし以外に二億人くらいいた筈。






カンフーっぽさを出す為に、リストバンド巻いてみました。
ほんとは「北斗の拳」みたいな派手派手な編み上げバンドが良かったのですけど、そんなのどこにも売ってなくて残念。写真のはナイキ製。全然関係ないけど、わたしナイキの本店に行ったことあるんですよ。もちアメーリカっす(ちょっち自慢)。

話戻して、紹介の最後はリストバンドつながりの「北斗の拳」。
うちの親は厳しくてね。漫画週刊誌を買って読むという習慣を子供に与えなかった。
漫画に縁のない生活を送っていたわたしが高校生になり、倶楽部の部室にあった先輩のジャンプやサンデーを読ませてもらった時の喜びが如何ほどであったか。猿がオナニー覚えるようなもんです。
中でも衝撃的だったのが 「北斗の拳」。秘孔を突く拳法という設定にも驚きましたが、特に惹かれたのが原哲夫先生の絵の上手さ。漫画に対するそれまでのわたしの価値観を、一変させたと言っても嘘じゃあないです。
歳取って小遣いの使い道の自由度が広がった時、生まれて初めて買ったコミックがこの漫画だったというのが、わたしの北斗LOVE度を示しているでしょう。
わたし的北斗の拳のベストパートは、サウザー&シュウ編。
うーん、なんかもう好きな理由あり過ぎて、へたに語れないや。武の面では、『南斗最強の伝承者を貫く天破活殺』 というフレーズに、情の面では 『シュウの生き様』 に集約される気がする。
名台詞の多いシュウの言葉の中で、一番好きなのがコレ。

「大丈夫だ。その涙がわたしを一層強くするだろう」

号泣っすわ。
ピンと来ねーなんて言うの禁止。ちらっとでも思った人は今すぐ漫画を読むべし。

2003.8.13